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MDR通信 特別号 2011年東北地方太平洋沖地震から10年を経てへ

今から10年前、2011年3月11日午後2時46分(日本時)、日本の観測史上最大の巨大地震(東北地方太平洋沖地震、マグニチュード(M)9.0)が東日本を襲いました。死者・行方不明者が約2万2千人、全壊家屋12万棟超、道路や住宅などの直接的な経済損失約16.9兆円などの甚大な被害となった東日本大震災がもたらされました。

東北地方太平洋沖地震は、非常に大きく、震度6弱以上となった地域は、宮城県から千葉県までの8県に及び、全国各地に高い津波が押し寄せました。さらに、10年を経た現在でも多くの余震が発生し、地震後特有の地殻変動(余効変動)が続き、長期間にわたって影響が続いています。余震活動は、本震発生の当日にM7.0以上の余震が3回発生するなど直後から極めて活発で、余震域は岩手県から千葉県北東部にかけての沿岸及びその沖合の広範囲にわたりました。余震は、本震発生後に比べて、最近ではだいぶ減りましたがまだ起きています。今年になっても、2021年2月13日には福島県沖でM7.3が発生し、宮城県や福島県では最大震度6強を観測し、3月20日には宮城県沖でM6.9の地震が発生しました。5月1日にも、宮城県沖でM6.8の地震が発生して、宮城県の各地で震度5強などの強い揺れが観測され、都内でも震度2から3の揺れを感じました。余震は、今後少なくとも数年、場合によっては10年位引き続き発生すると考えられます。

社会的な影響も広範囲、長期間に及んでいます。この震災では、災害救助法が10都県、241市区町村に適用されました。10年を経て震災からの復興が進み、発災当初47万人だった避難者が4.1万人に減少し、応急仮設住宅の入居者はピーク時に31.6万人だったのが、2千人に減少しました(2021年3月現在)。それでも、大勢の方が、まだ避難を続けているのです。すまいの再建・復興まちづくりのハード面の復興はおおむね完了しましたが、高台造成宅地や高台移転元地などの活用方法、長期避難者の心のケアやコミュニティー形成について課題が残っています。交通・物流網のインフラや生産設備はおおむね復旧しましたが、中核産業である水産業や水産加工業は回復途上です。福島の原子力災害の影響は、依然として大きく、まだ約2.3万人が避難指示区域からの避難対象者となっています。

東京大学名誉教授 平田 直東日本大震災から10年の今、あらためて震災の経験と教訓を国民全体で共有するとともに、復興の現状について国や地方の行政、民間企業・市民で理解を進める必要があります。私たちは、3月11日を「防災教育と災害伝承の日」とすることを提唱しています。是非、賛同していただけると幸いです。

東京大学名誉教授 平田 直

 

コロナ復興のBuild Back Betterでオールハザード対応型の危機管理へ

災害時の医療、都市防災に向き合ってきた日本の関係者に、いまできることは何だろうか。

感染症は災害対策基本法の災害の定義には該当しないため、日本が有する様々な防災関連施策が法的に講じることができなかった。「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」を、後手に修正しながら、コロナ危機対応を実行し続けている。オールハザード対応型の危機管理の必要性は、東日本大震災や福島原子力発電所事故の複合災害で盛んに叫ばれていたことだった。

ポストコロナの復興について考えてみる。日本がイニシアティブを有する仙台防災枠組2030が定める「復興のコンセプト」を、政府はもちろん、産業界や経済界が一体となって、世界中に展開することを、そろそろ検討してはどうか。それは、災い転じで福となす「3B」の戦略、Build Back Better(より良い復興)だ。日本のお家芸は改善だけではない。これまで、ことあるごとに国難状況を「創造的破壊」として、イノベーションを実現してきたのだ。

第3回国際防災世界大会
第3回国際防災世界大会

経済成長の契機となった戦後復興や、1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災などの自然災害からの復興に取り組み、G20や東京オリンピック・パラリンピック、大阪万博などで国際的なリーダーシップを発揮しようとしている日本の復興コンセプトを、ポストコロナにおけるイノベーション力として、3Bの考え方と日本の実例とともに広めたらどうだろうか。

緊急事態のいまこそ、政治家への批判に終始するでもなく(そもそも選んでいるのは国民である)、社会ビジョンへのニヒリズムを捨てて、右でも左でもなく、一個人や一事業者が、良き地球市民として民主的かつ集団的能力を構築するときである。

日本政策投資銀行 蛭間 芳樹支持率や対外的な情報発信の出来栄えといった表層だけにとらわれるのではなく、コロナ危機の機を捉え、日本の危機管理の再構築を真に考えるときではないだろうか。コロナ感染症にて亡くなられた方々への最大の恩返しは、この国の危機管理システム全体の3B、すなわちオールハザード対応型危機管理体制への転換である。

日本政策投資銀行 蛭間 芳樹

 

新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する知識

新型コロナウイルス感染症の患者数・病原性

日本では、これまで に47万2112人が新型コロナウイルス感染症と診断されており、これは全人口の約0.4% に相当します。
また日本の人口当たりの感染者数、死者数は、全世界の平均や主要国と比べて低い水準で推移しています。
重症化する割合や死亡する割合は以前と比べて低下しており、・死亡する人の割合は約1.0%。50歳代以下で0.06%、 60歳代以上で5.7%となっています。
重症化しやすいのは、高齢者と基礎疾患 のある方です。

新型コロナウイルス感染症の感染性

新型コロナウイルスに感染した人が他の人に感染させてしまう可能性がある期間は、 発症の2日前から発症後7〜10日間程度とされています。また、他の人に感染させているのは2割以下で、多くの人は他の人に感染させていないと考えられています。このため、感染防護なしに3密(密閉・密集・密接)の環境で多くの人と接するなどによって1人の感染者が何人もの人に感染させてしまうことがなければ 、新型コロナウイルス感染症の流行を抑えることができます。

新型コロナウイルスの変異株

現在、従来よりも感染しやすい、重症化しやすい可能性のある変異株や、 ワクチンが効きにくい可能性のある変異株が世界各地で報告されています。個人の基本的な感染予防策は、変異株であっても、3密の回避、マスクの着用、手洗いなどが、これまでと同様に有効です。

※最新の情報は厚生労働省HPでご確認ください

 

感謝状

医療資源開発促進機構は、マスク寄付など、ご支援頂きました方々に、感謝状をお送り致しました。

 

 

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